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新年に寄せて、3つの想いを伝えます。

一昨年のあいコープふくしまの総代会では、内部被ばく値を測定できるホールボディカウンターを購入するか否かが議題の一つでした。決を採る前に、あいコープふくしま組合員の娘さんの一人、高校一年生(当時14歳)が、手を上げ発言を許されました。「私達が何をしたというのですか?私達の未来を返して下さい!」と、涙声で訴えました。
内容は、選挙権もなく何を言っても聞いてもらえない自分達が、これから一生被ばくした可能性がある自分と向き合っていきなくてはいけないと。結婚も福島故に難しいと心ない人たちが言うと心ない人達が言うと聞きます。
現在彼女は、国連の事務総長宛の高校生1万人署名を提起して「私達は微力です。しかし無力ではありません!」と話しておりました。
 次に、原発事故で放射能が拡散された時に、妊娠を知ったお母さんの話です。随分悩んだと聞いています、想像することもできません。しかし未来(クルミ)ちゃんは生まれました。
11月25日、元気に2歳になりました。会うたびに私はこの子の愛くるしいピンク色のホッペにチュッチュしています。生を全うするその時まで、私は見届けられませんが、その名の通りあなたの未来が何よりも健康でありますよう心から祈り、深い悔悟の念と共に自分に言い聞かせています。
 そして、あいコープみやぎの女性職員の娘、小学校四年生みぃちゃんの話です。震災後、休みの度にお母さんと一緒に被災地、被災生産者を回っていました。解体された私の家の境が分からなくなるからと、棒切れを刺し、今年は昨年咲いていたヒマワリのタネを6月に敷地内に植え、小さなヒマワリが咲きました。「お母さんと一緒に考えたんだよ。」と。お母さん職員は娘に、悲しすぎる人の痛み、思いやりや優しさを、言葉を超えた形にして素晴らしい心を教えたと思います。
 今回の震災による1万5883名の犠牲者、2651名の行方不明者、合わせて1万8534名の犠牲者、震災や原発事故関連死の2688名の犠牲者の方々の事です。その方々の奪われた時間を掛け算してみてください。50億時間、60億時間・・・その時間は、きっと多くの誰かと何かを作り、喜びや悲しみや感動や、生き残った私達とどんな数え切れない出会いを持っただろう時間です。
結婚も出産もしたことでしょう。残された私達は、その重く深すぎる無念を背中におって生かされている。その方々の分まで、何倍も感じ、考え、丁寧な時間を生きようとそんなことを考えています。
一瞬で命を奪われた犠牲者の無念と、被ばく者の無念を、我が事のように背負い、生きている限り仲間として歩き続ける生産者であり続けます。
 
素敵な一年でありますよう。
 
あいコープ共生会会長
株式会社高橋徳治商店
社長 高橋 英雄
 
 
生活協同組あいコープみやぎ 
機関紙 「あい(I)あい(eye)あい(愛)」掲載記事より。
 

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