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自主避難と家族

3.111ヶ月後に控え、当社のある宮城県は震災による様々な問題を抱えつつも、ゆっくり、ゆっくりと回復してきています。

メディアは今の震災の影響について取り上げる事がすっかり少なくなりました。

今回のブログでは震災は終わっていない!という現状を知ってもらいたく宮城県の隣県、福島県郡山市に住む女性の家族の事と、避難先での活動を紹介したいと思います。

 福島県の県外避難者数は、20151月現在では45735人、県内の仮設住宅等で暮らす人は約66000人もいます。

いまだ原発事故の影響が多く、これだけの多くの避難者の中に居た女性、中村美紀さん。

原発事故後「子供の健康に影響があるのでは……」と自主避難先に実家のある福島市に近い山形市を選びました。郡山市に残ったご主人とは離れ離れとなったので、お子さんが寂しがったり、生活になじめるか心配したそうですが、すぐに友達もできほっとしたそうです。

隣県の山形県では約4000人が避難しており、中村さんは同じ立場のお母さん達に声をかけグループを作り、積極的に芋煮会や料理教室を開催しました。

そんな山形でお母さん同士のつながりを深める中、第4子を授かり「福島で産みたい」との強い思いが湧き上がっているのに気付きました。それは「大変な状況が続く故郷から自分たちだけ逃げた」という心の奥から拭えなかった思いや福島生まれの娘たちが将来、故郷での出産をためらわないようにするため、自分が道を作らなければという思いから、郡山市に戻り20145月に長男を出産しました。

福島には戻っても被爆への心配が無くなった訳ではなく、今も山形に残るお母さん仲間は多いそうです。中村さんは「戻りたくでもまだ戻れない人ばかり」と話しています。
 

掲載記事

 

 住み慣れた土地から離れるという事は、とても勇気がある行動だったと思います。

ご主人と離れ心細い避難生活を送り、何気ない日常が当たり前ではない事を知った中村さん。今年のお正月は8ヶ月の長男の顔を見ながら、家族全員がそろう幸せを噛み締めました。中村家ではお正月料理に手作りの栗きんとんや煮しめ、田作りが詰まった重箱が置かれ、その中には当社の“はんぺん”を使用した伊達巻もあり、大変美味しく出来上がったそうです。(実は中村さん、当社の練り製品を取扱っている“あいコープふくしま”の組合員さんだったのです)中村さんの所属するグループは、様々なイベントの際に“あいコープふくしま”の製品の提供など、ふるさと福島の支援に力を入れています。

中村さんご自身も大変な状況の中、知らない土地で同じ境遇のお母さん同士のつながりを持ったり、被災地を忘れずに支援する活動には頭が下がります。
 

料理講師:中村美紀さんプロフィール

20113月:福島第一原発事故後茨城県へ非難するもすぐに福島県郡山市へ戻る

20118月:お子さん3人と山形市へ自主避難しご主人とは離れ離れに

20145月:第4子を出産するため郡山市へ戻る

 

現在下記の代表を務めています

山形避難者 母の会 代表

うつくしま非難母子連絡協議会 代表

村山地区ふくしま子ども未来ひろば 代表

 

 

食べることは生きること!  家族みんなで温かい食卓を囲めますように…との願いを込めて、当社も被災地から美味しい物を
お届けしていきます。

 

 

 

㈱高橋徳治商店

総務部:平塚あゆみ

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