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海情報(2010年11月)

今回の海情報。宮城県石巻港では相変わらずスルメイカの大不漁(一日平均60000kg、平年の3050%)と輸出業者の競り合いで毎日高値が更新されています。回遊魚のサバは茨城から福島県宮城県境まで分布しており数万トンはいるのではないかと。いずれ西日本に帰っていく魚群で殆どが200300gの子供達で銚子や石巻で10002000トン以上水揚げされこれもアフリカやロシア、タイに輸出されています。多獲性魚(沢山漁獲される魚)になりますが、来年また北の方へどれだけ回遊して(鮭は北から日本へ)くるか、底魚でさえ激減しておりますます「不定」です。

四定(定価格=低価格・定漁・定質・定時)といわれ安く量的に安定でいつでも供給され、いつも同じ品質で・・・を求められる流通消費側は、現状の漁業状況に将来とも関心がないのかも知れません。いつでもどこでも何でも誰でも好きなくらい手に入る流通業にならされている消費者には魚介類がどんなに大変な状況なのかが殆ど開示もされず高いサンマのように時々マスコミを賑わすだけ。生物多様性的に言えば、資源状況のバランスや生物が生きている環境の悪化は、まず自然の動植物から問題が発生すると言われていますが、まさに野生動物の水産魚介類はその様相を呈しています。

生活クラブ独自で過去から現在までの統計や統計に表れない隠れた情報などを持ちよって学者も交えながら今後の水産をどう考えるのかを真剣に話し合わなくてはならないですね。持続可能な漁業を語る前に生産と消費もすでに崩壊が始まっていると感じるのは私だけでしょうか。生活クラブ組合員と生産者に出来ることは「語れる水産の材を具体的にもっと開発して」せめて加工品で将来が見える典型的な事例を作ることではと私はそう思います。

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