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宮城県石巻漁港の7月

宮城県石巻漁港は7月に入り大型底引き船の休漁が始まった、7月と8月の二ヶ月の休漁です。本来なら産卵期(タラやカレイなど底魚なら13月)や産卵した後の魚の身が回復していない時期(26月)に休漁すべきなのですが、冬の時期に需要があるためかこの時期になっています。因みに20081月から1年と20091月から1年の水揚げ比較で石巻港は200億円から150億円に水揚げ金額がダウンしました、魚市場は4500万円強の赤字になりました。カツオやサバなど魚の水揚げが2030%もダウンしたのです。

 

6月は春なのに毎日100200トンと30年ぶりにスケソウタラの漁がありました。毎日80銭とか1円とかのkg価格の入札で買えたり買えなかったり競争入札です。私ども最終練り製品を作っている加工業者でさえ買い負けているのはスケソウタラを買って凍結し輸出している冷凍業者です。その輸出先は中国だそうです。EU向けと日本のフライ(フィレオフィッシュハンバ-ガ-にも)向けです。EUの景気が回復すればもっと高くなるという話しですが、北海道からは年間推定5万トンは輸出されているとも聞きます。6月後半は底引き船で体長25cmほどの小さなスルメイカ漁も始まり毎日200トン前後が水揚げされ、これもその殆どを輸出業者が高値で買っています。そのまま凍結して上海万博向けに全然足りないそうです。人件費が安い国で所得もまだまだ日本の平均並には届いていない中国で日本より高く買い付け、中国国内消費でスルメイカが消費されているのは何故なのでしょうか、食べることに価値を置いている価値観の差ではないかと昨今の日本の食を見てもそう考えてしまいます。日本の魚貝類がなくなっているにも拘らず、海外が高く買い付けてきて先を見たとき、日本の漁船もそのまま韓国や中国に入港する日も来るのではないかと。

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