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生産の再開にあたって

 ㈱高橋徳治商店代表取締役 高橋英雄

 

2011311日、震災で消えた火。

 

今回の火入れ式は、これまで7ヵ月近くにわたって当社の震災被害からの回復にかかわって頂いた皆さん一人ひとりの熱い思いを受け継ぐ場です。

それを私どもスタッフはしっかりと受け止めます。

 

絶やすことなく絶対に消すことなく、もっと大きな思いの火に広げます。

それが これから 私たちが歩いていく支えになるでしょう。

 

今は、すっかり見えなくなりましたが、目をつぶれば積もった瓦礫やヘドロを掻き出すために、ふんばった長靴の足あとや汗、はく荒い息や掛け声が見え聞こえ、この足元に、500人を超える人々が半年余り、日々何万歩も歩き回った足跡がはっきり見えるのです。

 

もうため息はつきません、涙も振りちぎります、前を向きそして祈り感謝します。10月1日の火入れ式には、応援して頂いた方々からの沢山のメッセ-ジ、エ-ルも参加してくれることになっています。

復旧でも復興でもない! 全国の皆さんが起こしてくれた奇跡です。

800坪の工場内部ですくったヘドロや砂は総計50トンを超え、工場内外の瓦礫や排出物は大型ダンプで76にも上りました。機械もなく洗う水もなく照明もなく、工場内部に飛び込んだ瓦礫も、5メ-トルの天井まで達した重油・砂・海水、そしてヘドロも全て大小のスコップでひとすくいひとすくい、長靴もカッパも顔もヘドロにまみれた。

仕事の終わりに手足、カッパを洗うのは、道路を越えて冠水してくる水でした。

主役は支援の人々、その殆どは全国青森から鹿児島までのお取引先の一人ひとり、こんなにお得意先が先頭で頑張ってくれるなんて…

往復7時間かけて、あるいは日帰りで、交代で或いは休みもなく毎日通ってきた、その熱意の元とは…

製造部門と販売部門、そして消費者が、共に目指したのは「マルト高橋徳治商店の火を消すな!」長い年月の信頼があったからこそ、食べる側はその大切な食べ物を任せて作ってもらい、買い支えてきた。そして私たち作り手。思いを込めて、作り手としての大きな責任を受け止めてきた。

 

震災は、原点になるだろうか。体験は、いつまでもこれからも引きずっていく重荷ではなく抱いていく原点。重い原点。同じところに戻る折り返し点ではなく、切り開くべき出発点です。

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