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2010.02 生活クラブ生協千葉機関紙「コルザ」を読んで

1.   冷凍和菓子 

  芽吹き屋 阿部製粉の阿部会長さんとは電話でお話ししたのが数十年前、お邪魔したのは10年にも前になるでしょうか。当時新工場で夏なのに傘を出されてまずビオト-プを二人で散策、子供達も沢山遊んでいました。朝は数え切れない鳥たちの声、下を見ればどんぐりや樹木の実が落ちるからそれを別の場所に持って行き苗木まで育ててここにまた植樹するんだよと沢山の話を聞きながら日傘さして2時間。何故工場にそんな場所を作ったかも聞かずに歩きました。

何故こんな場を作ったか・・・まだ聞けずにいます、いや聞かなくとも沢山の米粉を追求し深化した和菓子の数々に答えがあるのかも知れません。実は私が生活クラブに紹介した「裏仲人」なんですが、きっと私にお礼の意味も込めて立ちどまりながら散策しながら人の生き方を教えてくれたのかも知れません。その後二度お邪魔しましたがお会いすることも適わず今日になっています。和菓子は、嗜好品です。嗜好品は生活必需食品ではありません、しかもそれに理念とか運動を重ねることも何か違う気がします。沢山の種類の和菓子を作られていましたが 何より静かに何かを語る和菓子を作り続けて欲しいと思います。ともすればこの世の中 厳しい、辛い、悲しいことばかりですが、阿部会長との取り留めのない話と散策にもう一つ忘れていた生きる上で必要な何かを静かに感じ続けています。無添加国産だから価値がある訳ではありません、作り手の生き様を深く知ることが出来ると消費材や生産者との触れ合いがプラスして幸せの中身を教えてくれるから価値もでるのかな~と。

 

2.   特集 食の未来フォ-ラム

  国産・自給とよく使われる言葉です、いつも使っているので直ぐにその意味も答えられます。つまり「奪わない奪われない食」、或いは食糧(食料)資源をしっかり未来に残す全ての環境も考える。確かにそうです。でももう少し考えてみたら、作られる資源の環境(自然)と夥しい作り手の工夫や汗、何千年も或いはそれ以上受け継がれた自然との共存の知恵の蓄積、それらの網の目の様に絡み合う人やものの総和が、自給です。調理も料理も箸も食器も食べる為に工夫されてきました。工夫したのは食べた人の健康や成長を願いこぼれるばかりの笑顔をず~っと見ていたいからです。沢山の会話や味わうことの喜びを運んでくれるのは作り手の思いです、家庭の作り手はその素材の作り手に感謝しその素材の作り手は自然に感謝し家庭の作り手や食べる人を思います。当たり前の関係が当たり前に感じられないことに「食を自らの手に」という言葉を生みました。生産者も組合員ももう一度食の原点に立ち返り食がどれだけ大きな意味を持つのか考えを深める時だとその責任と共に痛切に感じます。「思い」ってもっと深めるべき言葉ではないでしょうか。

 

3. ~海情報~

 相変わらず時化(低気圧)が太平洋三陸を襲っています。

 底魚(あまり移動せず中層やか海底に生息するタラ類、カレイ類を始めとした魚介類)の漁獲も時化続きで漁に出れません、回遊魚でいえば1月下旬に千葉県銚子港から宮城県石巻港を主体で小さなサバや小さなマイワシが何千トンも水揚げされました。海が荒れていたので魚がもまれて鮮度も今一で養殖魚の冷凍餌に加工されていました、サバの一部は缶詰向けで輸出かなといった感じです。相変わらず韓国や中国向けにスケソウタラが何万トンも輸出されています。日本の食品流通業の低価格化は異常でそれが魚にも波及し各漁港の魚介類の価格を下げています、下げられれば漁船漁業は採算が合わず無理しても操業するか、借金の返済に四苦八苦し続けます。低価格は海外の少しでも高く買ってくれる国への輸出に回ります。イカを獲る底引き網漁船組合は、昨年末決められたイカの割り当て数量を獲ってしまい、水産庁にお願いして獲っていい枠を増やして今年も操業しています。イカを獲らなければ採算がかなり悪化するのでと言うことだそうです。

 昨年は中国でのマグロの消費量が1万トンになったそうです、日本では年34万トンも消費されていますがこの状態で中国の伸びがより急速に増えれば日本ではマグロの輸入も厳しく高値でも買えなくなります。以前も書きましたが、タラ、鮭、さんま、さば、スルメイカ(カツオは漁もなく缶詰向け輸出も激減でしたが)が どんどん輸出されています。日本のですよ、日本の天然自然が育んだ魚介類は、悲しいかな私たちの手から離れて行っているんです。日本の魚介類の生産量と日本の輸入する魚介類の量が同じだなんて、価値ということをきちんと考えなくてはならない状況です。小さくて脂肪もない魚は知恵を出せば美味しく食べれます、安くて大量に上がる魚はもっと工夫して時間を少しだけかけてやれば常備菜始め沢山の半調理料理が組合員の冷蔵庫や冷凍庫に入ると私は思います。もう魚介類は、資源という観点からは見るも無残な資源状況なんですから・・・・生産者のこだわりを語るのも大変結構です、しかし一次生産物への組合員のこだわりを是非議論して欲しいと願っています。

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